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Zephyr Scale からの移行

セクションの内容

このセクションでは、Zephyr Scale から TestRail にインポートできるテスト情報の種類、Zephyr Scale からデータをエクスポートする方法、データを準備して TestRail にインポートする手順を説明します。また、インポートできるデータとできないデータ、TestRail にデータをインポートできない場合の回避策についても説明します。

エクスポート/インポートのサンプル ファイルとして、この添付ファイルをダウンロードします。

機能と制限事項

TestRail は、ヘッダー フィールドやテンプレート フィールド、個別のテスト手順やカスタム フィールドなども含めたすべてのサポート対象フィールドを CSV 経由でインポートできます。

下の表は、CSV 経由でテスト ケースをインポートする場合にサポートされるデータと、制限事項を挙げたものです。TestRail は個々のテスト手順へのカスタム フィールドの追加をサポートしていませんが、それらのデータが失われることがないよう、「追加の手順情報」フィールドに値をインポートする方法を説明します。

サポート対象 制限事項
  • デフォルト フィールド
  • カスタム フィールド
  • 事前条件
  • テスト手順
  • 個別のテスト手順
  • 添付ファイル – Zephyr には添付ファイルを一括でエクスポートする仕組みがありません。
  • 個別のテスト手順のカスタム フィールド – 下の回避策を参照してください。

カスタム フィールドがあるテスト ケースを Zephyr Scale から TestRail にインポートするには、まず、対応するカスタム フィールドを TestRail に作成する必要があります。

Zephyr Scale からのテスト ケース データのエクスポート

Zephyr Scale の [Test Cases] 検索画面から、テスト ケースを Excel 形式でエクスポートできます。エクスポート対象のすべてのテスト ケースを選択し、[More] > [Export to Excel] をクリックします。Excel ファイルのエクスポートとローカル マシンへのダウンロードが開始されます。このファイルを使用して、TestRail にテスト ケース データをインポートできます。

テスト ケース データの処理

Zephyr Scale は 3 種類のテスト ケース テンプレートをサポートしています。

    • Plain Text
    • Step-by-Step
    • BDD – Gherkin

テスト ケースを Excel 形式でエクスポートすると、下の図のように、テンプレートの種類に応じて異なる列にテスト スクリプトが入力されていることがわかります。

下の表は、Zephyr Scale のテンプレートから TestRail のテンプレートへのマッピングと、列のマッピング方法を表しています。

Zephyr Scale のテンプレート Zephyr Scale の Excel 列 TestRail のフィールド TestRail のテンプレート
Plain Text Test Script (Plain Text) Steps Test Case (Text)
BDD – Gherkin Test Script (BDD) Steps Test Case (Text)
Step-by-step * Test Script (Step-by-Step) – Step Steps(Step) Test Case (Steps)
Test Script (Step-by-Step) – Test Data Steps(Additional Info)
Test Script (Step-by-Step) – Expected Result Steps(Expected Result)

 

カスタム手順フィールドを使用している場合、このページの「Step-by-Step カスタム フィールドの処理」セクションに記載されている、すべてのテスト手順データを保持する方法を参照してから CSV に保存してください。

すべてのテンプレートに共通するフィールドは、下の表に従って TestRail のフィールドにマッピングできます。デフォルトでは TestRail に存在しないフィールドについては、マッピング先として新しくカスタム フィールドを作成できます。

Zephyr Scale の Excel 列 TestRail のフィールド
Name Title
Status Status*
Precondition Preconditions
Folder Section
Priority Priority
Estimated Time Estimate
Coverage Issues References
Labels CUSTOM FIELD
Component CUSTOM FIELD
Objective CUSTOM FIELD
Custom Field CUSTOM FIELD

 

Status は、テスト ケース設計の承認を管理する TestRail Enterprise だけの機能です。Enterprise 版のライセンスを所持している場合、[管理] > [カスタマイズ] > [ケースのステータス] で、Zephyr Scale のステータスに合わせて Status フィールドの値をカスタマイズできます。Enterprise 版のライセンスを所持していない場合、[管理] > [カスタマイズ] > [ケース フィールド] で、値をマッピングするためのカスタム フィールドを作成できます。

Zephyr Scale プロジェクトで複数のテスト ケース テンプレートを使用している場合、テンプレートごとに別個の CSV ファイルを作成する必要があります。それには、Test Script フィールドの値に基づいて Excel ファイルをフィルターします。テスト ケース テンプレートを判別する方法の 1 つは、下記のフィルター条件を使用することです。

Zephyr Scale のテンプレート Excel 列のフィルター
Plain Text Test Script (Plain Text) が空の行を除外する
BDD – Gherkin Test Script (BDD) が空の行を除外する
Step-by-Step Test Script (Plain Text) および Test Script (BDD) の両方が空の行を選択する

フィルターしただけでは、元の行がすべて含まれているため、そのまま CSV ファイルとして保存しないでください。まず、フィルターされたデータを別のファイルにコピーしてから CSV として保存します。

このプロセスが完了し、その他に必要な Excel ファイルへの変更が終わったら、後は TestRail にテスト ケースをインポートできるよう、Excel ファイルを CSV ファイルとして保存するだけです。

Step-by-Step カスタム フィールドの処理

上で触れたとおり、TestRail は Zephyr Scale のような個別のテスト手順でのカスタム フィールドをサポートしていません。カスタム手順フィールドを使用している場合、下の表のようにカスタム手順フィールドのデータをマッピングすることを推奨します。

Zephyr Scale のフィールド Zephyr Scale の Excel 列 TestRail のフィールド
Step Test Script (Step-by-Step) – Step Steps(Step)
Expected Result Test Script (Step-by-Step) – Expected Result Steps(Expected Result)
Test Data
Custom Step Field 1
Custom Step Field 2
(…)		 ADDITIONAL INFO Steps(Additional Info)

Step-by-Step テスト ケースを抽出した Excel ファイルには、“Test Script (Step-by-Step) – Steps Custom Field (Text)” という列があることがわかります。このデータを保持し、下の表のマッピングにしたがってインポートするには、この列の値を “Test Script (Step-by-Step) – Test Data” 列およびその他のカスタム フィールドの情報とマージして新しい列に入力するとよいでしょう。それには、“ADDITIONAL INFO” という新しい列を作成し、下の図のような数式を使用して元の列タイトルおよび値でデータをマージするか、独自の数式を作成して最適な方法でデータをフォーマットします。

TestRail へのテスト ケース データのインポート

TestRail へのテスト ケース データのインポートは非常に簡単です。テスト ケースをインポートするプロジェクトに移動し、次の手順を行うだけです。この手順ガイドでは、最も複雑なテンプレートである Step-by-Step を使用します。

    1. [テスト ケース] ページに移動します。
    2. ページ上部の [ケースのインポート] アイコンをクリックし、[CSV からインポート] を選択します。

    3. インポート ダイアログの最初のページで次の操作を行います。
      1. インポート対象の CSV ファイルを選択します。
      2. インポート先のセクションを選択します。
      3. [CSV 区切り文字] でカンマ (またはファイル保存時に使用した区切り文字) を選択します。
      4. [開始行] に 1 を設定します。
      5. [テンプレート] に Test Case (Steps) を設定します。
      6. [次へ] をクリックします。
    4. インポート ダイアログの 2 ページ目で次の操作を行います。
      1. [行レイアウト] に [テスト ケースは複数行を使用する] を設定します。
      2. CSV の列を TestRail のフィールドにマッピングします (下の簡単な例を参照)。
      3. [タイトルがないテスト ケース/レコードを無視する] オプションをオンにします。
      4. [次へ] をクリックします。
        * Zephyr Scale のテスト ケースにカスタム フィールドがなく、Excel ファイルに “Additional info” 列を作成していない場合、単に “Test Script (Step-by-Step) – Test Data” を “Steps(Additional Info)” にマッピングします。
    5. インポート ダイアログの 3 ページ目で次の操作を行います。
      1. すべてのフィールドで [CSV の値から HTML タグを除去] をオンにします。
      2. ドロップダウン フィールドで Zephyr Scale の値を TestRail の値にマッピングします。
      3. [次へ] をクリックします。
    6. インポート ダイアログの最後のページで次の操作を行います。
      1. 期待どおりに情報が処理されたことを確認します。
      2. [インポート] をクリックします。

下の図のようにテスト ケースがインポートされたことを確認できるはずです。

いずれかのテスト ケースを開くと、下の図のように、正しくデータがインポートされたことがわかります。

Plain Text および BDD – Gherkin テンプレートのテスト ケースをインポートするには、下の表に記載されているマッピングのとおり、TestRail では Test Case (Text) template テンプレートを使用してインポートを実行する必要があります。

Zephyr Scale のテンプレート Zephyr Scale の Excel 列 TestRail のフィールド TestRail のテンプレート
Plain Text Test Script (Plain Text) Steps Test Case (Text)
BDD – Gherkin Test Script (BDD) Steps Test Case (Text)

 

Plain Text および BDD – Gherkin テンプレートを使用しているテスト ケースをインポートするには、インポート ウィザードを 2 回実行する必要があります。Zephyr Scale のテンプレートごとに次の手順を行います。

インポート ウィザード実行時に異なる点は 2 つだけです。

    1. インポート ダイアログの最初の画面で、[テンプレート] を [Test Case (Text)] に変更します。

    2. インポート ダイアログの 2 番目の画面で、[行レイアウト] に [テスト ケースは単一行を使用する] を設定し、Test Script (Plain Text) 列 (または Test Script (BDD) 列) を TestRail の Steps にマッピングします。

Plain Text および BDD テンプレートの両方のインポートが完了すると、Step-by-step テンプレートと同様の結果になるはずです。