TestRail は、テスト ケース、実行、結果を管理し、追跡するための強力なツールです。TestRail の強力な機能を最大限に活用するには、ベスト プラクティスを採用し、意味のあるメトリクスと洞察を生成できなければなりません。
より有効なメトリクス収集のためのテスト計画とテスト ケースの構成
TestRail から意味のあるメトリクスを収集するには、よく整理された テスト計画 を確立し、テスト ケースを効果的に構成することが重要です。入念なセットアップにより、テストの進捗状況の追跡が効率化されるだけでなく、パフォーマンスに関する正確な洞察が得られます。
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- テスト ケースを整理する: 機能 (モジュール、フィーチャーなど) やテストのタイプ (レグレッション テスト、スモーク テスト、パフォーマンス テストなど)でテスト ケースをグループ化します。このアプローチにより、特定の領域をより効果的に追跡し、レポートできます。
- カスタム フィールドを使用する: カスタム フィールドを作成することで、テストをさらに分類したり (「クリティカル」、「統合」など)、プロジェクト固有の詳細 (環境、優先度など) を把握したりすることができます。どのテストがどの環境で実行されるかをマッピングすると、後でその情報を簡単にフィルタリングできます。
- 明確さを確保する: テスト ケースに明確な手順と期待される結果を記述します。実行時に正確なデータを得るには、適切に定義されたテスト ケースが不可欠です。
追跡が推奨されるその他のメトリクス:
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- テスト カバレッジを追跡する: テストがアプリケーションの機能をどの程度カバーしているかを追跡します。[参照] フィールドを使用すると、そのような情報をすべてマッピングできるため、このフィールドは重要です。TestRail の参照統合の詳細については、こちらで確認できます。参照のカバレッジ レポートを使い、すべての情報をより効率的に分析できます。
- テスト ケースの再利用: 共有テスト手順を使用して、複数のプロジェクトで再利用可能なモジュール化されたテスト ケースを作成します。このやり方は、時間を節約し、テスト実行の一貫性を保証します。
効率的なテスト実行は、テスト プロセスを加速するだけでなく、メトリクスを通じてパフォーマンスを改善するために必要な正確なデータを収集できるようにします。
以下は、テストをより効率的に実施するための 3 つのベストプラクティスです。
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- マイルストーンを使用してテストを実行する: 進捗をより効果的に追跡できるよう、プロジェクトのマイルストーン、スプリント、リリースに合わせてテスト実行を計画します。このアプローチによって、次のことが可能になります。
- 各マイルストーンの進捗状況を個別にモニターします。
- マイルストーン固有のレポートを作成し、パフォーマンスを分析し、改善可能な領域を特定します。
- テストがどの程度プロジェクトのタイムラインに沿っているかについて、明確な洞察を得ます。
- マイルストーンを使用してテストを実行する: 進捗をより効果的に追跡できるよう、プロジェクトのマイルストーン、スプリント、リリースに合わせてテスト実行を計画します。このアプローチによって、次のことが可能になります。
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- 可能な限り自動化する: 繰り返されるテスト ケースや優先度の高いテストケースを自動化して時間を節約するとともに一貫性を向上させ、その後 TRCLI を使用して結果を統合します。自動化の利点として次のようなものが挙げられます。
- 自動化システムの出力から詳細なテスト結果を直接表示します。
- 自動化済みのテストケースを認識し、今後の自動化候補を明らかにします。
- 可能な限り自動化する: 繰り返されるテスト ケースや優先度の高いテストケースを自動化して時間を節約するとともに一貫性を向上させ、その後 TRCLI を使用して結果を統合します。自動化の利点として次のようなものが挙げられます。
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- テストの実行ステータスを追跡する: TestRail にあらかじめ用意された 実行ステータス (Passed、Failed、Blocked、Untestedなど) を使用するか、 独自のステータスを作成し、ワークフローをよりよく反映させるためにカスタマイズすることを検討します。TestRail の設定をユーザーのニーズにより正確に適合させることが可能です。また、特定のテスターにテスト実行を割り当て、チームの作業と目標を整理することもできます。その後、テスト実行中またはテスト実行後に、テスト ランの詳細からテストに関する情報をその場で直接取得できます。また、ステータスでフィルタリングできるレポートもあります。
適切なメトリクスを追跡することで、テスト プロセスに対する洞察が得られます。
以下は、検討するべき主なメトリクスです。
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- 実行時間: 経過時間を手動で入力するか、内蔵タイマーを使用して各テストの継続時間をモニターします。これにより、データを集計し、1 つのレポートでさまざまなテスト ランの結果とメトリクスの全体的な概要を表示できます。
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- テストの進捗: 一定期間にわたる完了したテストケース数、成功したテスト ケース数、失敗したテスト ケース数をモニターします。これは、テスト ランの詳細でその都度直接的に、またはレポートによって確認できます。レポートは、複数のテスト ランの進捗を比較し、結果を分析して将来の実行を予測する必要がある場合に役立ちます。また、分析を行わなければ気づかない障害がないかどうかを把握するのにも役立ちます。
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- 実行率: テストの実行速度を測定し、テストの効率を評価します。テスト ケースの実行にかかる時間を予想と比較して知ることは、負荷のバランスを取り、予測を行うのに重要です。また、それまで考慮されていなかったが、もっと注意を払い、さらに時間をかけてテストを行う必要がある領域がないかどうかを把握することも重要です。実行率は、さまざまな観点やニーズから有用です。
テスト結果を分析して実用的な洞察を得る
テストを実施したら、結果を分析し、テスト プロセスの改善に役立つ貴重な洞察を収集することが不可欠です。以下は、実用的な洞察を得るための重要なプラクティスです。
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- 詳細なテスト結果: 各 テスト結果が漏れなく文書化されていることを確認します (成功/失敗のステータス、登録された欠陥、ブロッカー)。このような情報があって初めて、予期していたことであれ、予想外のことであれ、起きたことすべてを正しく分析することができます。さらに、これらの情報はすべて、その後の作業を整理したり、予測を行ったりするのに重要です。
- 欠陥をテスト ケースにリンクする: 欠陥と失敗したテスト ケースを直接リンクすると、問題の背景情報を提供し、どの領域に注意が必要かを追跡するのに役立ちます。TestRail のテスト管理フレームワークとの統合機能 はシンプルであり、製品のうち予想外にバグが多い領域に関する洞察を得ることを容易にします。
テスト結果の分析に役立つメトリクス:
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- 成功率が低い: 進捗に影響を与えている潜在的な問題の原因やボトルネックなど、さらに調査が必要な領域を示している可能性があります。
- 履歴の比較: 一定期間にわたって複数のテスト ランの傾向を分析し、パフォーマンスがどのように変化するかを理解します。
- ツールのサポート: TestRail では、ステータス上位 レポートによって、特定のテスト ケース セクションまたはテスト ランの成功/失敗データを集約し、詳細な洞察と概要レベルの洞察の両方を提供します。
TestRail と他のツールを統合してメトリクスを強化する
TestRailは、さまざまな開発ツールやバグ トラッキング ツールと統合することで、より豊富なメトリクスを提供するとともに、テスト プロセスを合理化します。 以下は主な統合機能です。
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- テスト ケースと欠陥管理の統合: Jira などのバグ追跡システム と TestRail をリンクして、テスト ケースと欠陥を自動的に関連付けます。これにより、トレーサビリティを確保し、テストの文脈で欠陥を追跡できます。
- CI/CD パイプラインとの統合: Jenkins、GitHub、Azure Pipelinesなどの CI/CD ツールと TestRail CLI を併用することで、自動テストフレームワークを実現します。これにより、最新情報をリアルタイムで取得し、より正確で的を絞った分析が可能になります。
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- 安定性の確立: テスト結果とビルドを関連付けて、コードの変更がテスト結果にどのような影響を与えるかをモニターします。これは、コード開発において行われた意思決定の影響を評価するうえで重要です。 TRCLI と CI/CD ツール を使用して自動テストの結果を統合すると、パイプラインの進行状況を明確に把握し、より頻繁に確認を行うことができます。統合プロセスのヘルス チェックを頻繁に行うことが推奨されます。メトリクスは、より鋭敏かつ正確に対処するのに役立ちます。
- 自動化のカバー率: 自動化がどのようにテストの効率を改善するかを追跡して測定します。また、トレンドや傾向に基づいて、問題や障害を防止または予見できるようにします。この種のメトリクスに使用されるデータは、ダッシュボードやレポートを通じて、TestRail から簡単に取得できます。この種の分析は、テスト自動化計画の目標が高い場合や、タイムラインが短い場合にも重要です。メトリクスに基づいて頻繁に見直しを行うことで、成功を収めることができます。
継続的改善: 一定期間にわたるメトリクスのモニタリング
テストが進むにつれて、テスト プロセスを継続的に強化し、製品品質を向上させるために、主要なメトリクスを追跡することがきわめて重要になります。以下は、継続的な改善に不可欠な 2 つのプラクティスです。
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- 過去のデータを活用してパターンを認識する過去のテスト データを活用して、繰り返し起こっている問題を特定し、より集中的なテストやコードの改善が必要な箇所を特定します。メトリクスは、各マイルストーンまたはテスト ランの個別のダッシュボード から直接、簡単に表示できるほか、より包括的な分析のために複数のデータソースを集約したレポートでも参照できます。過去の実績を追跡し続けることで、将来の問題を予測し、未然に防ぐことができます。すべてのデータを記録、管理し、将来の参考として保存またはアーカイブ化します。
- テストプロセスを改良する: メトリクス を使用して、過剰な手動テストや長い実行時間など、テスト ワークフローの非効率性を検出します。テスト カバレッジを向上させ、ボトルネックを解消するために、アプローチを調整します。これらの洞察に必要なデータは、TestRail で文書とデータが一貫して保存されていれば、簡単にアクセスできます。また、テスト ランやテスト計画をアーカイブして、必要なときにいつでも比較や分析を行うことができます。
収集された情報は、以下のような重要な要素の測定に役立つ可能性があります。
- テストプロセスの効率: 各テスト フェーズでかかった時間を追跡し、改善可能な領域を特定します。このデータは、複雑なテストに専門のチーム メンバーを割り当てたり、 特定のテスト ケースを自動化したりといった改善の指針になります。これはワークフローを合理化し、チームの円滑な運営に役立ちます。
- 長期にわたるテスト品質: 複数のマイルストーンにわたる特定のテスト ランにかかる時間や、報告されたバグが修正されるまでの時間など、 長期にわたる欠陥の傾向をモニターします。このデータを使って、テスト作業を適宜調整します。TestRail には、このような詳細な分析に役立つデータを収集する方法が複数あります。
メトリクスの要点
これらのベスト プラクティスを採用すると、意思決定の根拠となり、ソフトウェア全体の品質を向上させる重要なテスト メトリクスの追跡に役立ち、TestRail の潜在能力を最大限に引き出すことができます。テスト計画を構造化し、投資対効果の高い領域を自動化し、詳細なテスト結果を分析してパターンを特定することで、テストプロセスを継続的に最適化してより良い結果を得ることができます。
より効率的で洞察力の高いテスト プロセスを作り上げるために、これらのプラクティスを取り入れ、 TestRail の機能 を活用するようチームを促してください。